こんにちは。IKUMA です。
前回、シュリーの魅力について書いてゆきました。
-
【革】シュリー(シェーブル)の魅力
こんにちは。IKUMA です。 財布や革小物に使用しているフランス Alran社(アルラン社)のSully(シュリー)の ...
続きを見る
今回は、シュリーの使いにくい点、気になる点について書いてゆきます。
使える範囲が狭い
両脇は使えない
革は肩から背中が一番丈夫で、お腹や足に向かって強度が落ちてゆきます。
ロットによりますが、ピンクの四角で囲まれた範囲を主に使用します。
ピンクで囲まれた部位はこんな質感。
繊維がぎゅっと締まっていて伸びにくく、丈夫。
それ以外の部位はこんな質感。
繊維が荒く伸びやすい。引っ張ると吟面が割れる。
ここは使えない部位です。
一枚の革の中でも製品として使える部分は約60~70%程度です
キズ・シミがある
天然素材のためランダムにキズ・シミがあります。
大きなパーツがとりにくい
使用できる範囲が狭い、キズ・シミがあることによって、パーツが取りにくいです。特に、大きなパーツは取りにくいです。
下記のように白い型紙と同じサイズのものを水色の枠のように取りたいのですが、赤丸で囲んだところにキズがありました。そうすると赤丸を避けて取らなければならなくなります。
上記の場合は、丸革のきわにキズがあったのでまだ対応しやすいですが、キズが革の中央にある場合、それを避けるようにパーツをとらなければならないので、パーツの取り率?が相当悪くなります。
キズを気にしなければ1枚の革で取り切れたものの、キズを避けるために1.5枚使わなければならないなんてこともあります。
これって、他の革でも起きうる問題なのですが、もともとの使用できるサイズが小さい点で、シュリーを扱う際にはかなり切実です。
ロットによって色味が異なる場合がある
シュリーはロットによって色ブレは少ないほうだと思います。ですがロットによって色味も多少ブレることがあります。
例えば、1枚の革でパーツが取りきれない場合、2枚目の革を使うことになります。そんなとき、2枚目の革の色味が異なると、製品の中で色味が異なってしまう・・・。なんてことが起きかねます。
使える範囲が小さいことで生じる問題です。
製品の販売価格が高くなる
説明してきたようにシュリーはパーツの取り分が悪いです。大きな牛革では問題なくとれていたパーツも、シュリーでは取れない場合が多いです。
そんな理由で、シュリーの製品は原価が高く、販売価格も高くなります。
以上、シュリーの良い点・悪い点を書いてきました。ただし、こちらは私が製作通して感じたことなので異論はあると思います。
シュリーに関心がある方には、シュリーの製品を購入する際の参考に、または愛用のシュリー製品に愛着を持っていただけたら嬉しいです。
レザークラフトをする方には、特性を見極めて素敵な作品を製作していただけたら幸いです。