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革を薄くする理由?

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こんにちは。IKUMA(@ikuma_kaban )です。

小さく・薄く・軽くが求められるミニウォレットには以下の要素が必要だと思っています。

①いかにパーツの重なりを減らすか

②いかに薄いパーツを使うか

③いかに使い勝手を制限しないギリギリのサイズ感を形にできるか

 

今回は②の「いかに薄いパーツを使うか」について書いてゆきます。

薄いパーツを使う理由

革は原厚(もともとの厚み)で厚いものは6mm以上にもなります。

当然6mmのまま、財布を作ろうと思うとただただ厚くて重い財布になります。

厚いまま曲げると吟面(表面)が割れてしまうこともあります。

そういったことを避けるために、薄く漉く(すく)必要があります。

 

お財布に使用する場合は1mm~2mm厚程度を使い、強度が求められない部位には1mm以下の厚みの革を使用することで、重すぎず厚すぎない財布になります。

 

ミニウォレットには、「小さく・薄く・軽く」が求められるので

0.5mm以下まで革を薄くする場合があります。

 

どこまで薄くできるのか?

革漉きのプロがやれば 0.2mmまで薄くできるらしいです。(革の種類や状態によりますが)

パーツを薄くすればするほど仕上がる財布は薄くなります。

ですが

薄くすればするほど強度は落ちますし、シワが入ったり、伸びてしまったり、小銭などの中身が出てしまったりと財布の機能を損なう状態になってしまいます。

強度と機能を保ち、美観も損なわない一点を目指してパーツの厚みを決めています。

 

薄く漉くとエラーがでる

革を薄くする場合、革漉き機の厚みの調整ダイヤルを任意の位置に設定して

革を革漉き機に通すと、任意の厚みに漉かれた革が出てきます。

例えば、原厚2mmの革を1mm厚に漉きたい場合、

革漉き機のダイヤルを1mm厚に調整して、原厚2mmの革を漉き機に通すと

1mm厚に漉かれた革が出てきます。

 

 

通常は、おおよそ1mm厚に漉かれるのですが、革の状態、繊維の向き等の条件で0.8mmくらいに薄く漉かれてしまう場合もあります。

革が天然のモノで、ロットや部位によって条件が異なるのでそういったエラーはある程度避けられないことです。

0.5mm 以下の厚みはさらにエラーが増える

1mm以下に漉く場合、IKUMAでは「革漉き屋」にお願いすることにしています。

というのは、

工房にある革漉き機では 巾5cm しか一度に漉けません。

例えば15cm巾の革を漉きたい場合、3回に分けて漉かないといけません。

そうすると、1回目と2回目、2回目と3回目の境目に凹凸が若干できてしまします。

こんな感じで段差が若干発生します。

 

この状態のパーツを製品に使いたくないからです。

Dobrar Wallet の場合

Dobrar Wallet のコイン収納のパーツは2枚の革を貼り合わせていますが、おおよそ1mm厚になるように仕上げています。

ですので表の革・裏の革をそれぞれ0.5mm厚に漉いてもらっています。

(肌感覚ですが)10枚に1枚程度が薄くなりすぎるエラーがでます。

 

左が0.5mm 右が0.3mm

 

エラーになった革は薄くて使えないのでロスになります。

 

薄いパーツを使うとコストはあがる

薄くするには

外注の経費

漉きのエラー

が発生するのでコストが上がります。エラーが重なると、一つの製品を作るのに1.5倍の革を使用する場合もあります。

 

薄いパーツの仕立て

薄いパーツを仕立てるにはいくつか方法があります。

例えば、1mm厚のパーツにする場合

①1mm厚の革を1枚

これは1mm厚の革に裏地も何も張らず、一枚の革のみです。

裏地を付ける手間が省けるのでコストを下げれます。1枚革ならではの魅力があり、使用に伴い革が柔らかくなります。

②0.8mm(0.6mmでもいいかも)厚の革1枚と0.2mm厚のナイロン・合皮素材等

0.8mm(0.6mm)厚に漉いた革に0.2mm厚のナイロンの裏地を当てます。

こちらの場合、裏地を浮かすことが多いので、より厚みを抑えることができます。特性上、コバは革をヘリ返します。

財布の場合マチなどに使用されることがあり、使い始めは革に張りがありますが、使用に伴い革が柔らかくなり、マチが外側に折れて小銭などが飛び出す場合があります。

 

③0.5mm厚の革1枚と0.5mm厚の革1枚

0.5mm厚の革2枚を接着剤で張り合わせる方法です。

革を2倍使用し、漉きの手間があるのでコストはあがります。

この方法はシワを出さないように張り合わせる技術が求められます。

2枚の革をしっかりと貼り合わせているので、経年してもパーツが極端に柔らかくならず、長く良い状態を保てます。裏地が革というのも美観的にも高級感が出ます。

※革そのものの“かたさ”などの条件によって仕立ては変わります

まとめ

製品の外観だけでなく、パーツの厚みや仕立てに目を向けると、その製品がどんな思想で作られているかわかる場合があります。そうゆうところにも目を向けてもらえると、作り手として嬉しいです^_^

 

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