こんにちは。IKUMA です。
PCのお供、マウス。そのマウスのお供、マウスパッド。
マウスパッドを製作したのでご紹介致します。
革の塊
革は薄く仕立てると柔らかくてクタッとした風合いが魅力で、積み重ねると固くまるで木材のような風合いになります。革を幾重にも積み重ねる技法を【積み革】と呼びます。木材のような風合いが好きで、積み革を使ったアイテムを作りたくて今回はマウスパッドを製作しました。
まずは試作①
長方形のマウスパッド。床革とエルバマットを使用。盛り上がっている部分に手首を載せての使用を想定。
手首を載せる部分の奥行きがやや狭いですが普通に使いやすいものができました。
ちょっと悩む
試作①は悪くはないのだけれど、デザイン的にどこか安易でもう一歩という感じ。ブッテーロで製作してコバをしっかりと磨き込めば、革の塊感があってこれはこれで良いのかもしれないが…。
革靴が目に入る
積み革といえば革靴のソール部分に使われています。グッドイヤーウェルテッド製法の革靴の靴底を眺めながら「この形状意外といいかも」とビビッときました。
ソールをモチーフに
ソールをモチーフにしたマウスパッドができたら面白くないですか?笑
かかと部分に手首を置いてソール部分にマウスを置いたら使い勝手も良いモノが出来そうな気がしてきました。
ソール型のマウスパッド試作②
製作過程の画像はありませんので、いきなり試作②は完成です↓↓。
外観的にはかなり自分の好みに仕上がりました。使い勝手としては改良したい点が2点ありました。
一点目としてはマウスを置く部分の横幅がやや狭いこと。
二点目としては上面の縁の部分が若干盛り上がってしまっていて、マウス使った際に盛り上がりに干渉してストレスでした。コバを形成する上で削って磨き込むので、若干の盛り上がりができてしまいました。
試作③では上の2点を改善してみようと思います。
ソール型マウスパッド試作③
しっかりと圧着した革をソール型に形成してゆきます。
いろいろ作業をして試作③が↓↓のように完成しました。
幅を約1cm広く修正しました。
マウスを置くソール部分には薄い芯を仕込むことで全体的に盛り上がりをだしました。芯を入れることでマウスの引っかかりもなくなりました。試作②で横幅が狭いと書きましたが、縁の盛り上がりのせいでマウスの可動域が狭くなっていたのも原因だとわかりました。つまり、幅を1cm広くして芯を仕込んで全体的に盛り上がりをつけたことでマウスの稼働可能範囲が広くなり幅狭感はなくなりました。
左:試作② 右:試作③
芯による「盛り上がり」で高級感が増した気がします。
ブッテーロは使い込むほどにエイジングしてゆきますし、マウスパッドは手の油分が移りやすい環境なのでエイジングが楽しみです。
裏側はフラットです。
コバはしっかりと磨きます。
重さは約200gでずっしりとした重量感があるので使用の際に意図せず動きにくいです。
これで完成!!!と思ったのですが、もう少し横幅を広げてみようと試作④に続きます。
ソール型マウスパッド試作④
ヒール部分の形状は変更せず、ソール部分の横幅を1cm広げました。
内側に仕込む芯などの仕様は固まっているのでサイズのみ確認しました。
試作②〜④の比較です。
横幅が広がって使い勝手は向上しました。横幅が広ければ広いほど使いやすくなりますが広げすぎると「ソール」らしいシルエットから離れていってしまうので、これくらいが限界かなと思います。
こちらのサイズ感で販売向けの製作を進めます。近日中に完成すると思います。