こんにちは。IKUMA です。
レザークラフトに凝ってくると、革の裏地を張りたくなりませんか?
実際に私が最初に作ったバッグはクロムなめし革一枚で作ったトートバッグでした。自然と次は裏地を貼ってみたくなって裏地付きのバッグを作るようになりました。
そんな、裏地を当てる場合、結構重要になってくるのが「補強」をどうするか?という問題です。
今回は革の裏地を当てる場合、どういった補強方法がいいのか?書いてゆきます。
裏地の素材について
裏地に使用する革ってどんなのでしょうか?裏地にしか使えない革があるわけではなくて極論言えば、どんな革だって裏地に使うことができます。
ただ、
厚い革を裏地に使うと重くなってしまうし
薄すぎる革を裏地に使うと強度が低くやぶけてしまうし
色移りのしやすい革を裏地に使うと収納したものに色移りしてしまうし
・・・、こんな風に実用的な条件に照らし合わせてみると
どんな革が裏地に向いているのかみえてきます。
裏地におすすめの革の条件
・厚すぎず薄すぎない革。0.6~1mmあたりの革。(革の性質による)
・色移りしにくい革。染料染めの革は避ける。(色移りが気になる場合)
・薄いわりに伸びにくく、引き裂き強度の強い革。
メジャーな裏地革
・ピッグスエード(豚革のスエード)
裏地革といえばピッグスエードを一番にイメージしませんか?
ピッグスエードは毛並みが細かく上質な雰囲気があります。豚革は毛穴の形状により通気性が良く、引き裂きにも強い革です。色数も豊富にあるので非常に使いやすい革です。
・アメ豚(豚革のタンニンなめし革)
豚革をタンニンなめしした革です。パリッとした質感が特徴で、やや引き裂きに弱いのでしっかりと補強が必要です。
・人工皮革
東レの「スーパースエード、エクセーヌ、アルカンターラ」、旭化成の「ラムース」などの人工的に革と同じような構造をもたせた素材。ピッグスエード風の質感で車のシートなどにも使用されていて、耐熱性・摩耗性など高い素材です。価格はかなり高い・・・ですが、ピッグスエードに比べてもパーツの取り分が良く(どこを使っても同じ品質、天然皮革だとそうはいかない)、(確か)うまいことやればコバも磨けたはず。
裏地は薄いので強度が低い
裏地は1mm以下の厚みのものを使用することが多いです。薄くてもある程度の強度があるので問題ありません。
しかし、「穴」が空くと話は変わります。裏地にポケット等を縫い込む際に、縫い目の穴が空きます。この「穴」が空くことで穴周辺の強度が落ちるので補強をしてあげないとやぶけることがあります。
テンションのかかるところは補強
テンション(負荷)がかかるところは何らかの方法で補強が必要です。
では、どんな補強がいいのか?
補強テープ
「セラフィー二テープ」という名称で販売しているテープです。
ステッチラインの裏側に貼ることで補強になります。
0.7mm厚の型押しレザーにポケットを模したハギレを縫い込んでみました。
その状態でハギレを強く引っ張ります。(かなりの力で)
下記のようにテープの補強効果が高く裏地は破れません。
革の補強
ステッチラインに薄い革を貼りつけます。
こちらも同様にハギレを縫い込んで引っ張ってみました。
縫い始めのひと目の部分が若干裂けています。
補強なし
補強なしの場合。
こちらも同様に引っ張ります。
ステッチの始まりから見事に破れました。
まとめ
今回の検証ですと伸び止めテープが一番効果がありました。
あとは、使用する革の種類や環境によって結果は変わってくる場合もあるかと思います。せっかく手間のかかる裏地を付けるのですから、長く使用できるようにしたいですよね。様々試してみると、新しい発見があるかもしれません。